「ジェネリック」というと「ジェネリック医薬品」などを思い浮かべる方も多いと思いますが、最近では「ジェネリック家具」「ジェネリック家電」というものが多く発売されるようになってきました。「ジェネリック」と言うと、後発品という意味もあり、ここでご紹介する「ジェネリック家具」は、コピー商品とは違う「意匠権」が切れたデザイナーズ家具を復刻版などとして作った家具のことを意味します。正規品のデザインへのリスペクトを大事にしながら後発品という事で、より使う人の、日本人の体型に合わせたものであったり、素材に工夫が行われたり、新しい色がたくさん揃うなどのメリットもあります。そして、何より価格が安いためにデザイナーズ家具に手が届くようになるというのが一番のメリットと言えるものです。そしてそれらは私達のデザイナーズ家具への夢を叶えてくれるものとなります。
ジェネリック家具で手に入れるデザイナーズ家具
デザイナーズ家具は20世紀の巨匠と呼ばれる偉大なデザイナーがデザインした家具なども多く、時代の遺産とも呼べるものがたくさんあります。芸術的なアートのようなデザインや彫刻のようなフォルムの美しさを持ったもの、曲線や直線を活かした美しいデザインなどそれぞれに個性にあふれた家具が存在しています。それらの家具は、時代の逸品や名作と呼ばれるものと言えます。例えば、デンマークを代表する建築家の「アルネ・ヤコブセン」デザインの「エッグチェア」は正規品ならば65万円もするようなものです。また、「ミース・ファン・デル・ローエ」デザインの「最高級の王の椅子」と言われる「バルセロナチェア」も正規品ならば60万円近くの価格がするものです。私達に手の届く価格ではなかなかないのが実態です。しかし、それらが「ジェネリック家具」ならば10万円程度から買えるのが何よりも嬉しいメリットと言えます。
ジェネリック家具を楽しむには、選び方が大事
そして、こうした「ジェネリック家具」を実際に買うことになった場合には正規品と区別したものとして、きちんと「ジェネリック家具」と書かれているものを選ぶことが大事です。また、デザインが少し改良されて変えられている物などは「リデザイン」ときちんと書かれているものを選びます。こうした確認をすることで、きちんとした価格のデザイナーズ家具を「ジェネリック家具」としてリーズナブルに手に入ることができ、大きな魅力となります。「ジェネリック家具」もたくさんありますから、それらの中からきちんとした物を選ぶことが大事です。あまりにも安い物を買ってしまって思ったものと違ったということがないようにしたいものです。
ジェネリック家具の細部へのこだわりを確認
「ジェネリック家具」を選ぶ際に見るべきは、復刻した際の細部へのこだわりです。正規品のデザインをリスペクトして作った場合には、正規品のデザイナーズ家具へのこだわりに近いこだわりが多くあるものです。例えば、ドイツの近代建築家「ミース・ファン・デル・ローエ」による「バルセロナチェア」の場合を例に見てみます。オリジナルの「バルセロナチェア」は、バルセロナ万博でスペイン国王夫妻を迎えるために作られ、美しい曲線美の脚を再現するために様々なこだわりがなされたものです。
そうしたオリジナルに対し、「ジェネリックス家具」でも美しくシンプルなハサミのような脚を再現するために、当時のデザイナーが使っていた鋼管の代わりに、スチールバー(板状の鉄)を溶接して繋げることで美しいラインを作っています。板状の鉄であるために無駄のないすっきりとした美しさを演出、特に脚のクロス部分の美しさには細かなこだわりが寄せられています。例えば、オリジナル製品はスチールでしたが、「ジェネリック家具」では無垢のステンレススチールで製作し、鏡面仕上げで輝く脚を作ることを目指しています。このような素材への細かなこだわりを見せながらも、オリジナルと比べて安い価格が実現しているのは驚くべきメリットです。これは、実際に見て感じとってほしいメリットと言えるものです。
また、こちらは「イームズ ラウンジチェア&オットマン」で、アメリカの有名な「チャールズ&レイ・イームズ」による彼らの代表するチェアの1つです。発売当初はこちらを作るにあたって製作費がかさみ、なんと404ドルという高価な価格で発売されたと言われています。見て頂くとわかるように複雑な製造工程があり、それによって高い販売価格になるのも頷けるようなデザインです。しかし、それにもかかわらず累計10万台を出荷するベストセラーになった、まさに魅力にあふれたデザイナーズ家具と言えるものです。これも今では「ジェネリック家具」が発売され、オットマン付きで16万円もしくは17万円から手に入るようになりました。憧れの家具を手の届くところまで価格を下げる努力が「ジェネリック家具」によってなされています。
「イームズ」の「シェルチェア」への憧れもジェネリック家具で
「チャールズ&レイ・イームズ」の「シェルチェア」と言えば、多くの人がデザイナーズ家具への憧れとして置きたいと思っている代表的な家具ではないでしょうか。こちらもオリジナル製品の段階で製造方法を見直して随分リーズナブルになっていったものですが、それでも正規品はやはり高いものです。「イームズ」は「affordable furniture for the people.」を理想に「みんなのチェア」を目指して改良版が作ったと言われています。しかし、正規品が4万円~6万円、それ以上もするような価格のものに対して、ジェネリック家具ではとてもリーズナブルな価格を実現しています。デザイナーズ家具を毎日の生活の中に取り入れてほしいという「イームズ」の願いが「ジェネリック家具」によって叶えられようとしています。もっと気軽に自分の部屋にも置くことができる価格を実現してきています。
機能性を追求する「ジェネリック家具」
また、「ジェネリック家具」はオリジナルと同じように機能性の追求にこだわりを見せます。例えば「エーロ・サーリネン」によってデザインされた「ウームチェア」は「ウーム(子宮)」を連想させるデザインとなっていて、体内回帰のように包み込まれるような座り心地の感覚を大事にしたチェアと言われています。当時の新素材であり、新技術であったFRP素材によって作られていますが、「ジェネリック家具」では、背クッションを大きめに作ったり、さらなる座り心地へのこだわりを追求しています。時代を超えて色あせないデザインに「ジェネリック家具」ではさらに工夫を加えて復刻を目指しています。オリジナルが求めた座り心地と言う機能性をさらに追求し続けているのがいい「ジェネリック家具」と言えるでしょう。そうしたいい「ジェネリック家具」を見つけて購入して頂ければと思います。
ジェネリック家具の楽しみ方
オリジナルの「デザイナーズ家具」のデザインをリスペクトし、細部へ多くのこだわりを持って作られているのが「ジェネリック家具」です。美しく見せる努力が細かな点にまで見られます。そうした「ジェネリック家具」をしっかり選んでいただくことで、安くて美しい魅力にあふれたデザイナーズ家具を手に入れることができます。多くの巨匠が目指した美しい家具、そして、みんながそれらの美しい家具を使う事が出来るようにといった願いを「ジェネリック家具」は理想としながら叶えようとしています。