小さな小宇宙的チェアの魅力
エーロ・アールニオのデザインした「ボールチェア」は、まさにボールのような形の独創的なチェアです。ここだけが小宇宙のようなそんな感覚にさせてくれる魅力にあふれたチェアです。
エール・アールニオのこの斬新なデザインの「ボールチェア」への思いとはどんなものだったのでしょうか。このチェアに込められた思いをじっくり見てみたい衝動に駆られます。
フィンランド・ヘルシンキ出身の工業・インテリアデザイナー「エール・アールニオ」は、この「ボールチェア」を20世紀に作ったことで歴史に残るチェアとの評価を得ました。
ボールの一部をカットし、そこに腰掛けるという発想は、他のチェアにはない彼独特の独創的なデザインで多くの人々に驚きを与えたものです。
そして、このチェアに座ると、周りとは別の1つの空間にいるような不思議な気分になるチェアとなっています。小さな自分だけの空間、宇宙を創り上げてそこに寛いでいる気分になります。一人だけのゆったりとした寛ぎの空間を与えてくれる最高のリラックスチェアです。
別空間の創造、そのための様々な製法の工夫
このチェアを作るためにエーロ・アールニオは、最初に成形合板のプライウッドの鋳型とFRP(繊維強化プラスチック)によって自らプロトタイプを製作したと言われています。
このような驚くべきデザインを彼は最初にプライウッドとFRP素材を駆使することで1人で造り上げていったのです。この新しい発想による挑戦によって「ボールチェア」の製品化の道が始まります。そして、実際に製品化に至るまで様々な工夫を重ねながら数年を要したと言われています。
このボールのようなボディを作るのに大変な苦労があったことが私達でも計り知れます。新しい素材を活用することでやっと製品化にこぎつけていったのではないでしょうか。
材質は、FRP素材を活用することで1品1品型に入れて球体を成型しています。とても大きなボール状の座面を支えるために脚部はアルミのダイキャスト加工が行われています。しかも機能性を考えた回転式です。
こんな椅子の発想の全てが新しいもので、完成した形を見た時に多くの人が未来感覚のチェアとして受け留めた、まさに20世紀の画期的チェアです。
プライベート空間を作る「ボールチェア」!
この「ボールチェア」の特徴は、独創的なデザインと実際に座った時の印象の驚きではないでしょうか。その座った際の印象に関して「部屋の中のもう1つの部屋」と讃えられています。このチェアに座ることで、外部の雑音があまり聞こえず、まるで別空間にいるような感覚を作り出してくれるからです。
周囲の音を70%も遮断すると言われていて、周りとは遮断されたような自分だけの部屋がもう一つ出来上がった感じを受けるものです。ボール状の小さな小宇宙が部屋に誕生したと言ったイメージになります。
1人でゆったりと考え事をしたい時、読書をしたい時、音楽をじっくり聞きたい時などにぴったりの静かな安らぎのプライベート空間を演出してくれます。
毎日の生活の中で1人でゆっくりする時間がない、もっと安らぎたい、落ち着いた時間を過ごしたいと思っている人にぜひおすすめしたいチェアです。デザイナーズチェアらしいオシャレなデザイン、美しいフォルムに包まれながら、自分だけの時間を静かに過ごすことができます。
座面は、高密度ウレタン ファブリックなどといったもので作られ、ボール状の小宇宙の中に心地よいファブリックの座り心地がより安らぐものです。
自分の好きなファブリックの色、そして外側のボディもそれぞれにカラーを選ぶことができます。これも一つの楽しみです。
自分だけの小宇宙を好きな色の組み合わせでアレンジしながらエーロ・アールニオの「ボールチェア」を楽しんでみませんか。
回転する「ボールチェア」は機能的!
そして、先ほども書きましたようにこの「ボールチェア」は回転します。立ったり座ったりも楽なように回転します。座面が低く、深く腰掛けて寛いで座りますが、その姿勢から楽に立ち上がれるように座面が回転する仕組みになっています。斬新なデザインだけでなく機能性にも優れた設計です。
部屋の中で一日の長い時間をこのチェアで過ごす際にもこの機能性がとても嬉しいものです。
こちらは、「ボールチェア」の内部のクッション部分を取り外した画像です。美しい球体のボールの中に厚いクッションを入れた物になっています。厚いクッションがしっかりとしたクッション性を持ち、ボールの中での寛ぎを演出してくれます。座った時に「ボールチェア」に体を委ねるようなリラックス感をこのクッションが支えています。また、取り外しができるということでお手入れが楽なように作られています。
エーロ・アールニオの挑戦と愛すべきデザインの魅力
エーロ・アールニオがデザインした他のチェアも見てみますと、こちらがエーロ・アールニオがデザインした「ハーフドームチェア」です。「ボールチェア」と同様に斬新な近未来のデザインとなっています。
本体がFRP素材で座面がレザーになっているという組み合わせです。こうして見てみますと、エール・アールニオのデザインしたチェアは、常に、他にはない新しい感覚のチェアへの挑戦と言ったものになっているのではないでしょうか。
そして、デザインがとてもシンプルで愛らしいデザインとなっています。滑らかな球体のFRPのフォルムは、どこに置いてもインパクトがありながら愛おしい感じの印象です。
エール・アールニオのデザインするチェアは、こうした新しい素材FRP素材を活用しながら滑らかなフォルムを追求したデザインが魅力です。滑らかで艶やかなFRP素材が彼の斬新なデザインを可能にもし、彼のデザインの美しさの象徴ともなっています。
こちらがエール・アールニオがデザインした「コニャックチェア」です。コニャックを注いだような形に作られたチェアです。
こちらも部屋に置いているとやはり愛着のあるデザインとなるのではないでしょうか。個性的なフォルムが愛すべきデザインです。
これらのチェアのどれもが「ボール」や「ドーム」「コニャック」と言った有機的デザインを施したもので、そこがまた愛らしいデザインと言った印象を与えるものです。そして、斬新ですがシンプルな美しさも特徴としています。
これらのチェアは、きっとそのどれもが自分のチェアとしての愛着が湧くもので、所有欲をそそるものではないでしょうか。
素材の組み合わせを楽しむ「ボールチェア」
他のチェアのデザインもそうですが、異素材の組み合わせを楽しむことができるのがエール・アールニオのチェアの魅力です。
常に新しいチェアの形を想像している結果がそうした異素材の組み合わせを実現しているのでしょう。「ボールチェア」で言えば、ボディ本体のFRP樹脂の艶やかな塗装仕上げと中のファブリックの柔らかな素材感は全く異なる雰囲気でありながら調和しています。ボディと内側が全く異なることで、座った時により異空間を感じるものでもあります。
まるでカプセルの中の小宇宙に入ったような感覚となるでしょう。この斬新な異素材感をぜひ楽しんでほしい魅力にあふれたチェアです。
リビングの主役となるようなチェアです。少しサイズ的に大きいと思われるかも知れませんが、狭い部屋でも、部屋の中心にもう一つの別の部屋が誕生する、そんな不思議な体験をさせてくれるチェアです。ぜひそんな不思議な魅力と出会ってみませんか。