「マシュマロソファ」とはよく言ったものです。座面や背面がたくさんのマシュマロが合わさったようにかわいらしくなっている微笑みたくなるようなソファです。
元々、既製品のスツールの座面を活用してソファを作ることが考えられたデザインですが、それを繋ぎ合わせる脚部や縦横のフレームなどの構造が複雑になった製品です。コスト的には高くなってしまったものですが、この発想と言ったものにはとても拍手を贈りたいデザインです。
手間暇とコスト面から当時わずか186脚しか使われなかった「マシュマロソファア」はデザインともにまさに貴重なソファです。
スツールの座面が作るユニークなデザイン
20世紀のミッドセンチュリー時代のハーマンミラー社のデザインディレクター「ジョージ・ネルソン」がデザインしたのが「マシュマロソファ」です。
既製品のスツールを繋ぎ合わせているために、一つ一つがマシュマロのようにかわいらしくてPOPな印象が特徴です。
「ジョージ・ネルソン」は、建築家であり、グラフィックデザイナーであり、 インテリアプランナーでもありました。「プラットフォームベンチ」と言ったシンプルな直線で作ったベンチが代表作の「ジョージ・ネルソン」です。こちらはシンプルながらもデザイン性がある建築家らしいデザインのベンチです。
そんな「ジョージ・ネルソン」が作った「マシュマロソファ」には、一転してグラフィックデザインのような遊び心も見受けられるものではないでしょうか。小さな座面を繋ぎ合わせて大きな座面や背面を作ると言ったソファのデザインはなかなか独創的なものです。
全部で18個のマシュマロ状のクッションが並ぶ姿は圧巻です。外見は18個のマシュマロが空中に浮かんでいるような楽しいもので、ホワイトの「マシュマロソファ」では特に雲が空中に浮かんでいるようなイメージにも見えます。
この「マシュマロソファ」は、ジェネリック家具ではシングルカラーとバイカラーデザインのものなども作られ、そのデザインをさらに楽しむことができます。バイカラーデザインのものを見ると色の組み合わせがより面白く、ドラムのような形にも見えリズミカルなイメージを感じることもできます。
1つずつつなぎ合わせている、その規則正しいデザイン性は遠くからみても近くで見てもとても美しいものです。これらを繋ぎ合わせるのに手間暇がかかったということにも頷ける製品です。
また、この「マシュマロソファ」はその特徴として、バイカラーの場合は座面を組み替えて異なる模様に入れ替えることもできます。自分で模様替えができるなど様々な遊び心も生まれる製品となっています。
特徴的なPOPなデザインを購入した後でもいろいろ楽しめるのはオリジナリティにあふれた魅力となります。
一つ一つのクッションを支える構造の美
「マシュマロソファ」は、このユニークで美しい形のデザインを作るための様々な努力にも注目したいものです。最初は186脚しか作れなかったように繋ぎ合わせるのに多くの工夫がなされています。
円形のクッションをフレームに付けるための溶接にも高度な技術を要しています。それをいくつもたくさん溶接していますので多くの時間と技術がかかっています。この美しい規則正しい独創的なデザインはそうした手間暇と技術に支えられているものです。斜めからや後ろから見て頂くとその構造や溶接の様子がよくわかります。
曲線と直線のフレームが交錯しながら見事にクッションを繋ぎ合わせることで支えています。近くで見て頂くと繊細な造りになっているのがよくわかります。一つ一つのバラバラのクッションが独立しながら繋がれた構造になっています。
1個ずつを支える構造となっているためにそれだけ手間暇がかかっていることになります。こうした綿密な構造を取っているために、特にホワイトの「マシュマロソファ」などでは雲が空中に浮かんでいるように見えるのです。デザイン性の高さ故に美しい魅力を持っています。
「マシュマロソファ」の構造を見ていると、建築家「ジョージ・ネルソン」ならではの発想とデザインです。小さなクッションで大きなソファを作ると言った発想は、「ジョージ・ネルソン」独特です。構造上のきちんとした設計があってこそ出来上がったデザイン性が高く評価されるものです。いかに美しく支えるのかと言ったことも強度と美しさを考えながら「ジョージ・ネルソン」は作ったソファです。
どこに座っても満足の行く座り心地に
実際にこの「マシュマロソファ」に座ってみるといかがでしょう。どこに座っても座面と背面でいずれからのマシュマロ状のクッションがバランスよく支えるような設計になっています。
革の仕上げ、縫製にもこだわり厚めのクッションの弾力性とクッション性にこだわって作られています。このソファが開発されたのが1956年ですが、当時のハーマンミラー社のカタログでは、「びっくりするような外見ですが、座り心地は非常に快適です」と紹介されています。
見た目はとても意表を突くものですが、座り心地と言った機能性ではきちんと考えられた製品となっています。最初は既製のスツールを18個合わせると言ったものでしたが、クッションの素材もしっかり考えられ、座り心地も充分に満足させる製品となっています。小さなクッションで大きなソファのゆったりとした座り心地を追求したものです。
本来、「ジョージ・ネルソン」は、「プラットフォームベンチ」など、シンプルで機能的な清潔感のあるデザインを行ってきました。そうした発想からすれば、この「マシュマロソファ」は、たくさんのクッションをどう組み合わせてクッション性のいい座り心地のいいソファを作るのかと言ったことを純粋に追求したものと言えます。
シンプルに機能性を追求した結果、このようなユニークなデザインが作られていったものでしょう。整然と並べられたクッションの美しさを見てそう感じる製品です。
自分流の楽しみ方ができる「マシュマロソファ」
色の異なる「マシュマロソファ」を選ぶだけでイメージは異なります。ホワイトやブラックの「マシュマロソファ」を選べば洗練されたイメージで、「マシュマロソファ」の個性的なイメージをより強調したものとなります。モノトーンの部屋や白い壁や家具で揃えた部屋にはホワイトの「マシュマロソファ」はとてもよく似合います。優しくてかわいらしいイメージ、清潔なイメージを演出してくれるいい存在になってくれます。
ブラウンやベージュ系のバイカラーなどを選べば、おしゃれでデザイン性の高さがより強調されたものとなり、他のデザイナーズ家具とも合わせやすいものとなります。
また、明るいレッドとブラックなどのコントラストの効いたバイカラーにすればPOPなオシャレ心のあるインテリアになります。部屋のアクセントの1つとして飾って楽しむのもいいでしょう。
どちらの「マシュマロソファ」を選んでもオリジナリティを主張する存在感があるデザイナーズ家具です。こんなに楽しい自由なソファもないのではないでしょうか。バイカラーを選んで自分で色の組み合わせを変え、自分だけのソファを作ることもできます。
自分で作るデザイナーズ家具、インテリアとして魅力にあふれた家具です。当時186脚しか作れなかった家具は、今はそのこだわりを継承しながら、多くの工夫によりたくさんの「マシュマロソファ」を作ることを可能にしています。新しい発想で作られたそのこだわり家具に、今では多くの人が触れることができるのはとても嬉しいものです。