和の心を持ったテーブルのすすめ
和室にデザイナーズ家具と言う発想はあまりないかもしれませんが、デザーナーズ家具を置くことで存在感を発揮し、優雅な気分を味わうことができます。例えば、「イサム・ノグチ」の「ノグチテーブル」は和の心を持ったテーブルとも言われているテーブルです。日系彫刻家である「イサム・ノグチ」のテーブルは、丸みを帯びたガラスの天板と無垢アッシュ材の脚が滑らかな曲線伸びを讃えます。ガラスの天板も3つの角の丸みがそれぞれに異なっていたり、脚も非対称と言うまさにデザイナーズ家具らしいオリジナリティにあふれた家具です。それでいてどんな空間にも馴染むデザインで、特に美しい無垢アッシュ材の脚は和室に落ち着きのある雰囲気を出し、馴染むものと言えます。まさに「和の心を持ったテーブル」という感じです。
また、「Chrome(クロム) コーヒーテーブル」などと呼ばれるデザイナーズのテーブルを和室に置いてみるのもいかがなものでしょうか。こちらはローズウッド天然木で天板と引き出しが作られ、クロムメッキの脚を付けたスタイリッシュなコーヒーテーブルです。コーヒーテーブルと言う名前からすると和室にはちょっとと思われるかもしれませんが、ローズウッドの天然木の風合いがよく似合います。「ローズウッド」は紫檀とも呼ばれ、日本でも古くから工芸材料として使われてきたものです。硬い木でなおかつ美しさを備えたローズウッドの木目の味わいを楽しむことができます。デザイン的にも直線を基調としたデザインがシンプルで、どんな空間にも合うものです。「クロムコーヒーテーブル」を置くことで、独創的な和室の雰囲気を作りながら、しかも落ち着いた空間造りとなるのではないでしょうか。引き出しの感じもどこかアンティークで和室に合う雰囲気と言えます。
デザイナーズ家具による和モダンのすすめ
和室にソファを置くというのもおすすめです。最近流行りの「和モダン」という考え方です。デザイナーズ家具のソファを和室に置いてみてはいかがでしょうか。こちらのノルウェーの「フレデリック・カイザー」デザインの「ノードソファ」などは繊細な曲線を描く北欧ソファとして和室にも置いてもよく似合います。北欧家具の木の優しい雰囲気やファブリック生地の柔らかい色合いが和室に寛ぎとおしゃれな雰囲気を作ってくれるものです。
「ノードソファ」の特徴は、無垢材で作られた滑らかなフレームです。無垢材の風合いを損なわないように丁寧にオイルがすり込まれて作られた美しい木のフレームが何よりも魅力となっています。1つ1つのソファが同じものがない天然木のソファで、オリジナリティを感じさせてくれます。こうしたデザイナーズソファの比較的価格の安いリプロダクト製品を置いてみませんか。一品一品、木の味わいが楽しめるデザイナーズ家具を和室で味わうのも素敵な楽しみ方ではないでしょうか。経年変化でフレームの味わいが変わっていく楽しみも感じることができます。和室に美しい木のフレームのソファはやはり似合います。
「フィン・ユール」デザインの「世界で最も美しいアームを持つチェア」と評された「No.45 イージーチェア」なども和室に置くにはおすすめです。最大の特徴であるアームのフォルムの美しさがあり、エッジが効いた美しく輝くカーブが魅力です。シートが浮いているように見えるデザインや後ろ姿も美しいなどと言った美への細かなこだわりは日本人のこだわりにも通じる家具ではないでしょうか。この姿を見てアームに惚れて和室に置いてみたくなる人も多いのではないでしょうか。
アメリカ人デザイナー「ショーン・ディックス」がデザインしたオリジナル商品の「ドゥエルソファ」も和室に置くと風格を見せます。深く寛いで座ることができるのも和室に置いて嬉しい点です。
同じ「ショーン・ディックス」デザインの「TRIPLE X ローテーブル」も面白いテーブルです。アッシュ材やウォールナット材などの無垢材で作られた脚は、3つのXを組み合わせていて、見方によってXになったり、星形になったりします。木が作り出す表情と造形の面白さを味わうことができます。和室にこんなローテーブルを置いて楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。
「9356ソファ」は、有名デザイナーの家具ではありませんが、北欧デザインの優雅さを存分に味わうことができるソファです。肘掛のデザインの面白さ、厚みのあるクッション、優雅に寛ぐことができるデザインとなっています。1950-60年代に存在していた北欧デザインのソファで、こんな雰囲気のあるソファを見つけることができた喜びに浸れるものではないでしょうか。和室に置いて和モダンのオシャレな雰囲気を味わえる、あまり見かける事のないオリジナリティにあふれたソファです。まさにこんな独創的な雰囲気のあるソファは、和室でゆったりと自分だけの寛ぎの時間を過ごすために手に入れてみたいものです。
和室で思い切っておしゃれに和モダンを楽しむには
こちらは「ラージダイヤモンドチェア」と呼ばれる「ハリー・ベルトイア」デザインのものです。ワイヤーのみで構成されたチェアで、アート作品とも言えるものです。まさに「ラージダイヤモンド」大きなダイヤモンドの形のファブリックが美しいフォルムとなっています。新感覚のデザインでありながら、どこかアンティークな印象で、温かく優しい雰囲気のファブリックが魅力です。和室にこんな派手なデザインの物をと思いますが、「和モダン」と言う考え方で言えば面白いデザイナーズ家具ではないでしょうか。背面はワイヤーメッシュ構造が支えているのですが、こんな個性的な構造を和室におくことでよりモダンな不思議な雰囲気を味わってみませんか。
「ビベンダムチェア」と呼ばれる、こちらもデザインが個性的なチェアです。アイルランドのデザイナー「アイリーン・グレイ」による製品です。女流建築家でもある「アイリーン・グレイ」は日本の工芸家菅原氏のもとで漆工芸を学んだという異色の経歴の持ち主です。本革の美しい質感の追求と女性ならではの丸みのあるフォルムの美は、見ていても実際に座ってもその魅力を感じることができます。スタイリッシュですが、日本の漆工芸を学んだという、その繊細さを感じさせるチェアです。和室だからこんな家具を置かなければいけないというわけでもなく、その美しさが和室にマッチしていればいいのではないでしょうか。そんなことを思わせてくれる存在感を持ったチェアです。
和室に置くデザイナーズ家具の楽しみ方
こうして見てくると、和室に置くデザイナーズ家具は、無垢材の木目の美しさや曲線のデザインの滑らかさ、そして素材やデザイン性から作り上げられた寛ぎの雰囲気の家具を置くことが大事なのではないでしょうか。前から見ても後ろから見ても美しい家具などはまさにデザイナーズ家具ならではの魅力にあふれています。和室の中央に置いていろいろな角度から見ても楽しいものです。和室にこだわりのフォルムを持った家具、独創的なデザインのものを置くのもいいでしょう。独創的でありながらもどこかシンプルな美しさを持っているデザイナーズ家具は、意外と和室にも合います。「和モダン」と言う言葉に表されるように、和室とモダンなデザインの家具を合わせることは、優雅さを味わうインテリアの新しい考え方です。こうした楽しみ方は贅沢なものとも言えるでしょう。和室にデザイナーズ家具を置いて一度試してみてはいかがでしょうか。