水平・垂直・直角が作り出した美の構造
近代建築の三大巨匠の一人と言われる「ル・コルビジェ」がこだわったのは、「ル・コルビジェ」の建築イズムである「水平、垂直、直角」と言ったデザインモチーフです。建築家の彼は、家具にも建物のように「水平、垂直、直角」の美しさを追求しています。
「ル・コルビジェ」は、フランスで活躍した建築家で、建築においても鉄筋コンクリートを使った装飾のないモダニズム建築を提唱しました。彼がそんな自らが造った建物に置くためにデザインされたのが「ル・コルビジェ」の「LCシリーズ」です。「コルビジェ」の代表作と言われ、家具の歴史の代名詞とまで言われた「LCシリーズ」です。「LCシリーズ」の魅力とは一体何なのか、知ってみたくありませんか。
「LCシリーズ」は、自ら製作した建物に置くためにデザイン! ~ステンレスの骨格に支えられたクッション性~
彼がデザインしたモダニズム建築の建物に置くためにとデザインされたのが「LCシリーズ」です。そう言ったことで、「LCシリーズ」の家具はソファもシンプルでモダンです。デザイン的に装飾的なものはあまり見られないのが特徴です。
特にこちらの「LC2シリーズ」は、真っすぐに細く伸びたステンレスの脚に真っすぐなフォルムの美しさがあります。そして、それが両脇に垂直に曲がって背面まで伸びています。
細く輝くステンレスフレームがソファの骨格を作っていて特徴的です。また、間近に見ると、溶接部分も凹凸が少なく滑らかな美しさが魅力となっています。
彼のソファには、建築物のように柱となるステンレスの骨格があり、その中にクッション性の高いソファが備わっています。そういった構造のデザイン性を感じるものとなっています。
そして、イタリア製総本革が張られた座面と背面の厚めのクッションも特徴的です。こちらも「水平、垂直、直角」と言った立方体のようなデザインで分厚いクッションが組まれたソファとなっています。
実際に座ると、分厚いクッションが座り心地の良さを感じさせます。中は羽毛に近いダクロン綿を使った贅沢な造りとなっていて弾力性に優れたクッションとなっています。
また、この座り心地の良さは、クッションを支える底部分にも秘密があります。エラスティックベルトを使用して、編み込まれたベルトになっていることで弾力性のあるベルトとなって荷重負担を分散しています。これによって快適な座り心地を実現しています。
分厚いクッションを支える底部分がこのようになっているというのも「ル・コルビジェ」のこだわりと言えます。座り心地にいかにこだわったデザインかというのがわかります。
LC2シリーズで人気の「LC2トリプルソファ」
「LC2シリーズ」で人気なのが「LC2トリプルソファ」です。この贅沢な3人掛けがリビングやオフィスの応接室、社長室で存在感を示します。
重厚で分厚い3人掛けクッションを支えているのは細いステンレスの脚です。まさにこちらも分厚いクッションを支える骨格と言った感じで脚が垂直に立った同じデザインです。
「ル・コルビジェ」の「LC2シリーズ」のクッション性の贅沢さを存分に味わうならこの大きな「LC2シリーズトリプルソファ」はおすすめです。こちらに寝そべってみるとその良さが良く分かって頂けるでしょう。
また、こちらの2人掛けの「LC2ダブルソファ」も見るからにクッション性の良さを感じさせてくれるデザインです。これらのクッションはどれも取り外しが可能になっているのもまた嬉しい特徴です。
さらに「ル・コルビジェ」の「LCシリーズ」は分厚いクッションと言うだけでなく、イタリア製総本革を全面にたくさん使っているのも見て頂けると思います。本革の美しさがソファの全面から感じられるものです。ステンレスと本革が互いに美しさを際立たせています。そして、やがて艶やかな総本革は時が経つにつれて味わいも出してくれるものとなります。
こちらのホワイトタイプになると、また雰囲気をガラリと変えます。洗練されたおしゃれなイメージになります。貴婦人のように細いステンレスの脚で立っているようなイメージの「LC2ソファ」と言った感じです。
重厚な「LC2トリプルソファ」そして、コンパクトですがクッション性の良さを感じる「LC2ダブルソファ」と組み合わせることでより完成された「ル・コルビジェ」の世界を楽しんでみるのもいいでしょう。
建築家らしい家具の骨格と言った感じで、ステンレスフレームの構造へのこだわりが大きい「ル・コルビジェ」です。脚の細さと垂直にアームや背面を支える構造、そして座面のクッション性を支える構造と建築家らしく考え抜かれた構造に注目してほしいと思います。
「LC2シリーズ」と「LC3シリーズ」の違い
また、この「LCシリーズ」には「LC2シリーズ」だけでなく「LC3シリーズ」もあります。
何が違うのかと言いますと、クッションが2段になっているの「LC2シリーズ」で「LC3シリーズ」は1段のみとなっています。
「LC3シリーズ」は、洗練されたデザインですが、クッションがシングルなのでちょっと固めと言った感じになります。
「LC3シリーズ」と「LC2シリーズ」の違いも見て頂けたと思います。いずれにしてもクッション性を重視したデザインを行ったのが「ル・コルビジェ」のソファのデザインです。
自らデザインした建築物に置くソファとして彼はアルミニウム、スチールパイプなどと言った、これまでとは違う20世紀では画期的な素材を革と組み合わせています。建物の骨格のようにそれらを使ってデザインした「ル・コルビジェ」です。
当時としては新しい、ステンレスによるモダンソファの試み
それまでの装飾性の強かった従来の家具から、彼がデザインした家具は異彩を放つものでした。鉄筋コンクリートの建物にも似合う合理的でモダンなデザインの家具を作りだしたのが「ル・コルビジェ」です。
現代のモダンなコンクリート打ちっぱなしの家やシンプルな部屋にも合うのが「ル・コルビジェ」の「LC2シリーズ」と言えます。
装飾性のない家具を総本革とステンレスと言った新しい組み合わせによってモダンに見せた「コルビジェ」の世界です。20世紀当時には斬新と言われたものではないでしょうか。
現在では多くなったステンレスとの組み合わせも彼によってその魅力が引き出されたものと言えそうです。
家具の歴史の代名詞と言われる「LCシリーズ」の中の人気の「LC2シリーズ」です。「水平、垂直、直角」と言ったステンレスフレームが美しく見える形、家具の骨格と言ったものを大事にしたのが「ル・コルビジェ」のデザインです。21世紀の今も古びず新しい美しさを保っているのは装飾をなくしたこのモダンなスタイル、構造美と言ったものが魅力となっています。
今も個性を放つ「ル・コルビジェ」の「LC2シリーズ」です。ぜひスペースがありましたら、「LC2トリプルソファ」「LC2ダブルソファ」「LC2シングルソファ」とセットにして部屋に置いてみませんか。「LC2オットマン」も作られています。
どんなおしゃれな部屋にも似合うのが「LC2シリーズ」のソファの魅力です。総本革の色もブラウンやレッドなどもあります。ガラスのテーブルと合わせて洗練された雰囲気で置いてみてはいかがでしょうか。